事故直後のホーム。
ホームドアが有る別の駅のホーム
■視覚障害者の転落死 どう防ぐ?
NHKウェブより。
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2016_0818.html
8月18日 16時11分
今月15日、東京・港区の地下鉄のホームで盲導犬を連れた視覚障害のある男性が線路に転落して死亡しました。
これまでも同じような事故が相次ぎ、視覚障害のある人たちからは「欄干のない橋」とも言われる駅のホーム。
どうすれば事故を防げるのでしょうか。
▲盲導犬と仕事帰りにホームの端から…
事故は、今月15日の午後6時前、東京・港区にある東京メトロ・銀座線の青山一丁目駅のホームで起きました。
東京・世田谷区の会社員、品田直人さん(55)が線路に転落。
走ってきた電車にはねられ死亡しました。
警視庁によりますと、品田さんは視覚障害があり、駅の近くにある勤務先の会社から盲導犬とともに帰宅する途中だったということです。
東京メトロの話では、現場にはホームドアは設置されておらず、ホームの端からおよそ60センチの所に白線が、1メートルほどの所に点字ブロックが敷かれていました。
改札口からホームに入った品田さんは、線路の方向に近づいたあと点字ブロックや白線よりもさらに線路側を歩いていたため、駅員が「お下がりください」とマイクで注意を促したということです。
しかし、品田さんはその直後にホームに転落し、およそ2秒後に入ってきた電車にはねられました。
駅員はホームにある非常停止ボタンを押しましたが、間に合わなかったといいます。
▲『実直な人柄』の元園長
亡くなった品田さんは、以前暮らしていた北海道江別市内の幼稚園でおよそ10年前から2年ほど園長を務めていました。
この幼稚園で理事長などを務め、品田さんと40年ほど前からの友人だという千葉市の村田龍一さんは「品田さんは実直で意志の強い人だった。
視覚障害になってから園長を務めたが、毎朝、幼稚園の入り口で園児たちを出迎えてあいさつするなど、障害に負けずに働いていた」と話します。
また、品田さんは盲導犬との生活を楽しんでいたといいます。
村田さんによりますと、品田さんは「盲導犬の世話は大変だが、つえをついて歩くよりも生活は楽しい。家に閉じこもりがちだったが、盲導犬と一緒に暮らしはじめてから散歩にも出かけるようになった」と喜んでいたそうです。
ことし3月、東京に引っ越してからは新しい職場も見つかり、最近は週5回、盲導犬と一緒に通勤していたということです。
一方で、品田さんは、みずからの視覚障害について、「視野が狭く、日中の明るい時間以外はほとんど見えない」と話していたということで、数年前には札幌市の地下鉄の駅で、停車している電車とホームの間に足を挟んでけがをしたこともあったといいます。
▲なぜ転落?当時の状況は
過去の経験から注意を払っていたとみられる品田さん。
慣れた通勤路で、なぜホームの端を歩き、転落したのか、その理由はわかっていません。
ただ、警視庁などによりますと、転落した場所からおよそ5、6メートル進むと点字ブロックの先に太い柱があったことから、盲導犬がぶつからないようなコースを進もうとした可能性があるということです。
▲繰り返されてきた転落事故
実は、今回の事故のように、視覚障害者がホームから転落するケースは少なくありません。
国土交通省が全国の鉄道会社から集計したところ、視覚障害者が転落したケースは平成21年度の38件から増加傾向にあり、24年度には92件、26年度も80件起きています。
視覚障害者の4割近くが、ホームから転落したことがあるという民間の調査結果もあります。
視覚障害者がホームから転落して列車にはねられたり、ホーム上で列車に接触したりした事故も毎年報告されています。
▲なぜ防げない?ホームドア対策は
転落事故が相次ぐ中、対策はとられているのでしょうか。
国や鉄道会社が事故防止の『切り札』になるとしているのが「ホームドア」の設置です。
国土交通省は、平成23年、1日に3000人以上の乗客が利用する全国のおよそ3450の駅について、平成32年度までに原則としてホームドアやホームの内側を識別できる突起が付いた点字ブロックなどを設置するよう鉄道会社に求めました。
さらに、転落事故が相次いだことを受けて、今回の事故があった青山一丁目駅など1日に10万人以上が利用する駅はホームドアを優先的に整備することを決めました。
しかし、5年たった今もホームドアが設置された駅は、対象の全国251の駅のうちおよそ3割の77にとどまっています。
事故防止の『切り札』と期待されながら設置が進んでいない理由として、列車ごとに停車位置や扉の数が異なること、多額の費用がかかることが指摘されています。
また、今回事故が起きた銀座線は、昭和2年に開業した国内で最も古い地下鉄で、ホームの拡幅や補強などの大規模な工事が必要なこともあり、現在、ホームドアの設置は19ある駅のうち上野駅の一部だけにとどまっています。
東京メトロは再来年度までに、改修工事が行われている渋谷駅と新橋駅を除く銀座線のすべての駅にホームドアを設置したいとしています。
▲「危ない!」と思ったら…私たちはどう行動すれば?
ホームドアの設置が進まない中、私たちがすぐにできる有効な対策が『積極的な声かけ』です。
今回の事故のあと、インターネット上では、「視覚障害の人が危ない状況にあるのを見かけたら近寄って声をかけるべきだ」という意見があった一方、「迷惑がられたり、盲導犬を驚かせたりするのでは、とためらってしまう」という意見も目立ちました。
これについて、視覚障害者の団体などに取材したところ、「積極的に『危ないですよ』などと声をかけてほしい」としています。
16年前に失明した東京・新宿区の高澤節子さん(66)も声をかけてほしいと話す1人です。
外出のときには必ず盲導犬を連れていますが、交差点で車が急に曲がってくるなど盲導犬でも対応しきれない危険はあるといいます。
そのようなときに周りの人に後ろから優しく肩に触れて「危ないですよ」などと注意を促してもらえると安心だそうです。
高澤さんは「今回の転落事故も、ちょっと線路側に出過ぎていると思った人が『中に入ったほうがいいですよ』と言って、手を貸してくれていれば防げたのではないでしょうか」と話していました。
視覚障害者の団体「日本盲人会連合」が5年前に視覚障害者に行ったアンケート調査でも、ホームからの転落を防ぐ有効な対策として、およそ3分の2の人が「周囲の人の声かけ」と答えています。
調査にあたった団体の笹川吉彦さんは「目がまったく見えない状態で歩くことは絶えず危険と背中合わせです。盲導犬やつえを使っているから大丈夫とは考えずに、危ないと思ったらためらわず声をかけることを社会全体の習慣にしてほしい」と話していました。
悲しい事故を繰り返さないために、ホームドアの設置を急ぐことはもちろん重要です。
あわせて、私たち一人一人の『積極的な声かけ』で事故を防げるかもしれない、それを意識して行動することも、命を救うために大切な対策だと感じました。
★不幸な事故だと思うが、満員電車で盲導犬を同行しての通勤って少し違うと思う。
冷たい男と思われるかも知れないが、電車内には犬嫌いの乗客もいるし、盲導犬に理解を示す人ばかりでは無い。
盲導犬へ虐待やイタズラをする乗客がいたり、盲導犬の鼻の高さには自動車の排気ガスが有り、夏のアスファルト舗装の路面は犬の肉球ではヤケドする程熱いだろう。
地方の田舎町ならイザ知らず、都会には騒音や雑踏が多くて盲人を見守るのは健常者でも大変だ。
ましてや人間の言葉も話せない「四つん這い」の低い姿勢で、危険を遮る手もなくて掴む事も出来ない。
地下鉄のホームは狭い所も多く、天井(地上)を支える為に大きな柱が沢山ある。
通勤で通い慣れた経路だと油断したのか?。
ホームの端からおよそ60センチの所に白線が、1メートルほどの所に点字ブロックが敷かれていましたが、品田さんは線路の方向に近づいたあと点字ブロックや白線よりも、更に線路側を歩いていたため転落したようです。
駅員が「お下がりください」とマイクで注意を促したが、被害者が自分の事と認識したのかは不明です。
ホームドアの設置は転落事故には有効だと思うが、予算的な問題やホームのスペースなどで遅々として進まない。
東京の地下鉄は何社もの私鉄が相互乗り入れしており、電車によってドアの位置や車両の長さも違う。
ダイヤ毎に優柔不断に、ホームドアもコンピューター制御しないとならない。
それ以前にホームでの安全を図るなら、駅員や乗客が声掛けをして誘導してあげて欲しい。
Twitterを見ると「盲導犬を驚かしてしまう」とか、「迷惑がられるかも」と躊躇している意見が多かった。
盲導犬に理解を求めるCMは有るが、見守る方法や危険を回避させる教え方は知らない。
点字ブロックの上は歩き難いし、つまづいて転んだり雨の日は滑り易くて危険だ。
私の奥チャマもハイヒールで転んで、捻挫した事もある。
記事によると、1メートルの所に点字ブロックが有ったみたいだが、右手に杖を左手に盲導犬のハーネスを持っていたが、柱が有ったので避けよとしてハーネスを放してしまったのだろうか?。
盲導犬はホーム上で事故を目撃したが、近くに居た女性客に直ぐに保護されて無事だった。
マスコミ関係者が事故を目撃してTwitterで救出作業をアップしていたが、不謹慎だとの抗議で削除していた。
「盲導犬ビジネス」や「点字ブロック産業」が金儲けに利用されているが、本当に必要なのは障害者に対する「おもいやり」や「正しい理解」だと思う。
突起が有り歩き難い点字ブロックより、ブロック代わりに路面にチップを埋設して白杖で情報を受信出来て、危険な場所やホームの端では(強い)バイブレーションで知らせる方法などを考えて欲しい。
また障害者も駅員や周りの乗客に遠慮しないで、援助や支援を申し出て欲しい。
駅員や乗客も人身事故などが発生して、運転見合わせや遅延がある方が影響があるのだから・・・。